【馬術部】 松田2冠/三木初タイトル/首位で春学最終日へ。

 5月6日に三木ホースランドパークにて行われた第43回全関西学生馬術大会・2日目。関学は松田有加(社2)が馬場馬術で昨日に引き続き優勝し、2冠を勝ち取る。障害馬術で関大に圧倒的差をつけられ、一時は総合点で逆転を許すも、複合馬術で三木翔一朗(商1)が優勝。初タイトルは関学にポイントを呼びこみ、この日の競技を終えた時点で5ポイント差をつけリードを奪い返した。僅差ながらも首位で最終日に挑む関学。残るは1日、2競技のみ—。
トロフィーを手に笑顔の松田
 3年ぶりの首位で2日目を迎えた関学。この日はヤングライダー馬場馬術をはじめ、障害馬術競技が2つなどレベルの高い戦いがひかえる。いかに馬場でポイントを取れるか、障害でくらいつけるかが重要となる。ゴールデンウィークの最終日もあって多くの観客が会場に押し寄せるなか、春学の山場といえる2日目が始まった。
 ヤングライダー馬場馬術競技では、前日の学典で母校に一挙大量点をよびこんだ3人が出場。主将・辻本の必勝法をなぞるように、またしても馬場勢が快挙を見せる。松田が58.796%の得点率をたたき出す演技で優勝。春学2冠に輝き、王者の地位を確固たるものとした。2位には同じく三木が続いた。この関学馬場勢のワンツーフィニッシュで大量ポイントを獲得。出場頭数が6人のため、悔しくも最下位に終わった古峨も入賞で得点に貢献した。まさに計算通りの馬場勢の貯金。そのポイントを続く障害競技に託した。
 「鬼門」ーまさしくこの日の障害競技を表すにふさわしい言葉だ。関学馬場勢のポイントリードはライバル・関大からすればおそらくは想定内の出来事だった。春学3連覇を狙う〝現王朝〟にとって2日目の障害競技こそが本領発揮の場所。全国レベルの人馬を要する銀河系軍団の逆襲の狼煙(のろし)は上がった。実力の差は歴然ーそれでも春学優勝のためには、障害競技で食らいつくしかない。必死の抵抗を見せる関学。
三木、初タイトル Mクラス障害D(以下、MD)では三木&月峰、辻本&月母衣、それに主務・鶴園悠(社4)&月景が減点0走行でジャンプオフへ。そのなかで主将自らが気合いの走行を見せ2位に。「勝ちにいくつもりで挑んだ」。関大ひしめく入賞圏内にくい込み大きなポイント「8」をゲットした。それでもやはり13ポイント差をつけられる。
 続くMクラス障害C(以下、MC)。MDより障害の高さ、レイアウトのレベルが大きく上がる。関学からは前日のLA競技Aチームを構成した障害勢の主力メンバー4人が出場。しかしどの人馬も精彩を欠き、誰ひとりジャンプオフに進むことが出来ず。一方で関大は当然のごとく数名が名乗り出た。万事休すー。あとは展開を見守るしかなかった。そのジャンプオフは関大と同大のほぼ一騎打ちに。幸いにも結果、軍団の表彰台独占はなされず点差はばらけることに。それでも関学の獲得ポイントは「0」。それまでの貯金は全て吐き出され、この時点で関大が総得点で首位に躍り出た。「(障害競技の2つで)あれだけ離されたのは痛かった。ちょっとは入りたかったが・・・」と障害勢が奮わなかった現実に辻本は唇をかんだ。
 ついに許した逆転ーチーム内にもそれまで閉じ込めていた不安がこみあげる。残りの競技を見れば、障害競技が続く。関大障害勢の盤石さは自らの馬場勢のそれに匹敵する。この日残された複合馬術・馬場が最大の山場となった。ここで逆転、リードを奪われなければもはや絶望的になる。誰もが馬場馬術の躍進を願った。そこに登場するは超大型新人・三木。月緑とともに関学に光をもたらした。馬場減点を最低限にとどめる騎乗で優勝。ポイントがのどから手が出るほど欲しかったこの局面で、期待に応えた。それは同時に自身初の学生タイトル。「良い馬に乗せていただいてるので、結果を出さないといけない」。その強い意志がプレッシャーを押しのけ今回の結果につながった。彼の実力にもはや疑いの余地はない。そして西脇万美子(社3)&月陽(ツキヒナタ)が4位に。入賞圏内に2人がくい込み、関学が逆転。2日目を終えた時点で首位に返り咲いた。
 春学2日目を終え、点差はわずか5点。決して容易くはなかったが、鬼門は突破した。団体首位で最終日をむかえるのは実に3年ぶりである。「泣いても笑っても明日で全てが決まる」と辻本。残された競技は2つ。よりハイレベルになるMクラス障害Bと、最後の競技Lクラス障害Bのみ。厳しい戦いが予想されるが、ここまできたら勝つしかない。
 待ち望まれた関学の復活なるか。明朝8時、春奪還の鐘は鳴るー
【春の女王だ!!松田2冠】
 もはや関西に敵なしーそう言っても過言ではない。前日、学典で関西制覇を成し遂げた松田がこの日も魅せた。ヤングライダー馬場馬術は学生馬術専用の課目。「ぶっつけ本番だったので不安はあった」と語るも学典での反省点を活かしつつ演技をこなした。堂々の優勝で春学2つ目のタイトルを獲得。「(春学の馬場は)楽しく乗れた」その顔に映るは笑顔だ。そこには王者の余裕さえも感じさせる。
 春学馬場タイトルは独占。7月の関西学生馬場馬術大会(夏学)もすでににらんでいる。「全学で表彰台に上がるのが目標、て言っちゃったので。関西で負けるわけにいかないんです」と今後への自信ものぞかせた。
主将、気合いの飛越
【MDで見せ場作った。主将・主務コンビ】
 MDでは障害勢のなかで、懸命に関大にくらいついた二人がいる。主将の辻本と主務の鶴園の幹部コンビだ。まずは鶴園が初の110M障害で減点0走行をし、周囲を驚かせる。それに感化されたか、「自分も行かないと」と辻本も月母衣と安定した走行でジャンプオフへ。周りを関大が占めるなかで、関学の意地を見せつける。そのジャンプオフで一歩及ばず鶴園は減点12。入賞圏内からこぼれたことに「見せ場は作れたけど、やっぱりポイント取りたかった」と悔しさをにじませた。
 その次の騎手がジャンプオフで最初に減点0走行を見せる。これでタイムの水準は決まった。辻本の番。「勝ちにいくつもりで挑んだ」というショートカットで攻める。減点0、タイムはトップでゴール。その瞬間、思わずガッツポーズが飛び出し周囲を沸かせた。「まだ早いよ!!」という声援もその瞬間は何よりも嬉しかった。その直後、関大の西尾&セレス号が辻本のタイムを上回り暫定1位の座を明け渡しす結果に。「関大の障害勢は強い。くらいつけたらな、って」。それは主将が見せた気合いの障害飛越だった。
プレイバック春学

〜[第2回]Morita Legend Beginning〜

 エース岩本が引退した翌年、その座についたのは必然的にも森田優(商卒)だった。
記事 2006年の第41回春学。〝王朝〟を築き上げた偉大なる先人たちの姿はそこにない。背負った重責を力に変えて、彼女はこの大会で壮絶な戦いを演じる。
 女子初の複合制覇ーそれが全てを物語っているのは言うまでもない。複合Dでは月翼とともに馬場で逆転劇を見せる。奇跡の11人抜きは周囲を圧倒した。続く複合Cでも乗馬・月雅で、馬場での僅差逆転。過去誰も成しえなかった女子ライダー初の快挙を達成した。春の大舞台で関西No.1の実力を証明してみせた。
 思い起こせば、それはその先巻き起こる彼女の伝説の1年間の始まりでもあった。この春学を皮切りに、関西では怒濤のタイトル獲得をし、やがて2度の全国制覇に輝くことになる。
 だが、エースひとりの力では叶わなかったものがある。この年は関大の台頭の波に押され、団体制覇を逃す。10連覇は夢と消えた。完全なる敗北、それは関学馬術部にふりかかる重く大きな試練を意味していた。。。<続く>

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